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STマイクロエレクトロニクスとSchneider Electric、STM32マイコンによる組込みAIを活用した先進的な人数カウント・ソリューションを発表

最先端の組込みAIがスマート・ビルディング向け入退室モニタリングのデジタル化を実現

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)と、エネルギー管理とオートメーションのデジタル化をけん引するSchneider Electricは、ビルの混雑状況と利用率を把握することでビル・マネージメントにおける新しいサービスの実現と効率化を可能にするIoTセンサの試作品を発表しました。

STの組込みAI(人工知能)をSchneider Electricの高性能の人数カウント・センサに搭載することで、複数の出入口がある広い空間における入退室モニタリングを実現しました。Schneider Electricは、2020年11月19日に開催されるST Live DaysのIoT & 5Gセッションにゲストとして参加し、このIoTセンサのデモを実施します。

「顧客の持続可能性と効率を高めるデジタル・パートナー」というミッションを掲げるSchneider Electricは、ビル混雑率や行列のデジタル化を通じたモニタリングなど、スマート・ビルディング・マネージメントに貢献すると共に、個人のプライバシーを尊重する高付加価値の技術を提供します。今回発表された先進的なIoTセンサは、STが持つAIの高い専門性と、Schneider Electricのセンサ・アプリケーションに関する深い専門知識を組み合わせて開発されており、物体検出用の高性能ニューラル・ネットワークが組み込まれた小型マイクロコントローラ(マイコン)を内蔵しています。

Schneider Electricは、組込みAI開発ツール「STM32Cube.AI」のツール・チェーンを使用して設計の生産性を向上させています。このツール・チェーンは、AIアプリケーション開発用の優れた機能を備えており、STM32マイコンの広範な製品ポートフォリオに対応しています。STM32Cubeソフトウェア開発エコシステムで提供される洗練された使いやすい開発リソースにより、Schneider Electricはハードウェア設計における高い柔軟性と効率を実現しました。

IoTセンサの試作品には、Schneider Electricが独自に開発した超低消費電力設計にLYNRED社の赤外線イメージ・センサ「ThermEyeTM」、およびSTの超高性能STM32H723マイコンで動作するYoloベースのニューラル・ネットワーク・モデルが搭載されています。

Schneider ElectricのIoTセンサ・プログラム・マネージャであるMaxime Loidreauは、次のようにコメントしています。「この将来性のある技術は、行列、ビルの利用率、ソーシャル・ディスタンスの監視など、さまざまなアプリケーションで入退室モニタリングと人数カウントを実現する新たなソリューションを提供します。STと協力して開発した革新的なIoTセンサは、ホテルやオフィス、小売店などのほか、入場者数や混雑状況を把握する必要がある一般的なビルにも応用することができます。この技術により、スマート・ビルディングの新たな可能性が生まれると考えています。」

STのAIソリューション・ビジネス・ライン・マネージャであるMiguel Castroは、次のようにコメントしています。「このIoTセンサは、ディープ・ラーニングによりデータ処理性能を向上させ、コスト・パフォーマンスに優れたマイコン・ベースのプラットフォームで高付加価値のアプリケーションを実現できることを実証しています。当社のSTM32Cube.AIを使用することで、短い製品開発期間で柔軟性に優れたソリューションを開発できます。また、当社の技術チームのサポートを活用してさまざまな技術的課題を解決することができるため、さらなる生産性の向上が可能です。」

技術情報
STM32Cube.AIは、STM32マイコンで動作する人工ニューラル・ネットワークに必要な構成要素を提供し、コスト・パフォーマンスと電力効率に優れたソリューションを実現します。Keras、TensorFlow™ Lite、ONNX変換フォーマットなど、さまざまなディープ・ラーニング用フレームワークをネイティブ・サポートしています。

また、マイコンの初期化コード自動生成ツール「STM32CubeMX」の拡張パッケージとして提供される「X-CUBE-AI」では、学習済み人工ニューラル・ネットワークのマイコン用コードへの自動変換、使用するマイコンに合わせて最適されたライブラリの生成、およびこれらのソフトウェアのマイコンへの実装が可能です。さらに、煩雑な開発作業をサポートする機能も搭載されているため、Cコードを手作業で入力することなく、STM32マイコン上でニューラル・ネットワーク・モデルの検証と性能評価を行うことができます。

一般的なディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)アプローチもSTのソフトウェア開発エコシステムでサポートされ、STM32の幅広い製品ポートフォリオに対応しているため、開発の成果を効率的に流用し、複数の市場に向けて製品を開発できます。ST Live Daysのデモで使用されるSTM32H723マイコンは、高いコア・パフォーマンス、最大1MBのFlashメモリ、高速の外付けメモリ・インタフェース、およびさまざまなセンサを接続できる内蔵機能など、AIアプリケーションへの対応に必要な機能を備えています。

STM32Cube.AIの詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

STM32マイコンおよびアプリケーション・プロセッサを活用した最先端のAIアプリケーションについては、edge.ai@st.comまでご連絡ください。

STM32H7マイコンの詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

*2020年11月16日にジュネーブ(スイス)とリュエイユ=マルメゾン(フランス)で発表されたプレスリリースの抄訳です。

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