STマイクロエレクトロニクス、 優れた機能と性能に電力効率を兼ね備えた 高集積ワイヤレスSoC「STM32WBA6」シリーズを発表
スマート・ホーム、スマート・ヘルス、スマート・ファクトリ、
スマート農業での新しい2.4GHzワイヤレス機器に最適な低コスト・高集積の組込みSoC

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多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、電力効率に優れた近距離無線向けSTM32ワイヤレスSoC(システム・オン・チップ)の次世代製品を発表しました。同製品はコンスーマ機器および産業機器からIoTへ簡単に接続できるようになります。
新しい「STM32WBA6」シリーズは、ヘルスケア / 健康用ウェアラブル・モニタや、動物用首輪、電子ロック、リモート気象センサなどのスマートなコネクテッド機器に適しています。高い電力効率を維持すると同時に、追加のメモリとデジタル・システム・インタフェースを搭載したSTM32WBA6は、新しい製品設計に含まれる豊富な機能を扱うことができます。
また、STM32WBA6には、暗号化アクセラレータ、TrustZone®によるアイソレーション、乱数発生器、製品ライフサイクルなど、SESIP3およびPSA Level3の認証可能なセキュリティ・アセットが組み込まれており、今後の欧州無線機器指令(RED)および欧州サイバーレジリエンス法(CRA)への準拠に貢献します。
STの汎用マイコン事業部ジェネラル・マネージャであるPatrick Aidouneは次のようにコメントしています。「標準化された堅牢な無線通信は、IoTを成功させるための中核となります。STの新しいSTM32WBA6は、豊富な機能と大容量メモリを備えているため、スマート・ホームやスマート・ヘルス、スマート・ファクトリ、スマート農業で使用されるハイエンド機器に活用できます。これにより、お客様は開発期間を短縮し、コンスーマ / 産業機器市場の需要を満たすことができるので、小型かつ低消費電力でありながら多くの機能や能力を備えた新製品に適しています。」
新しいSTM32WBA6内のワイヤレス・サブシステムは、2.4GHz周波数帯域で動作するBluetoothやZigbee、Thread、Matterなどのプロトコルに対応しており、複数のプロトコルを同時に使用した通信が可能です。これにより、スマート・ホーム・ブリッジのようなシステムでは、Bluetooth経由で居住者のモバイル・アプリと通信しながら、同時にZigbeeなどのメッシュ・ネットワークを介して照明やサーモスタットを制御することができます。さらに、STM32WBA6シリーズには、コストがより重視されるシンプルなアプリケーション向けに単一プロトコルの品種も含まれています。
採用事例
Meta System社の最高技術責任者(CTO)であるVittorio Ferrari氏は次のようにコメントしています。「幅広いハードウェア機能や低消費電力、高度なサイバー・セキュリティ、優れたコスト・パフォーマンスを特徴とするSTM32WBA6は、当社の高度な車内ドライバ・モニタリングや、インシデント・トラッキング、緊急通報ソリューションに最適です。広範な開発エコシステムとSTの強力な技術サポートに支えられ、試作開発を迅速に開始し、該当するすべての業界要件への準拠を達成することができました。2025年第2四半期の製造開始に向けて順調に進んでいます。」
技術情報
- STM32WBA6Sは、プロセッサ・コアとペリフェラル、ワイヤレス・サブシステムを集積しているため、新しい設計の簡略化、組立サイズの小型化、電子部品コストの削減に対する要求に対応します。従来のSTM32WBA5シリーズと比べて、最大2倍のFlashメモリ / RAMを内蔵し、アプリケーション・コードおよびデータの格納に十分なストレージを提供します。
- 最大2MBのFlashメモリと512KBのRAMを内蔵しているため、これまでより高度なアプリケーションをサポートすることができます。
- 豊富なデジタル・ペリフェラル回路により、USB High Speedに加え、デジタル・インタフェース(SPIポート x 3、I2Cポート x 4、USART x 3、およびLPUART x 1を含む)も提供されます。
- マルチプロトコルの無線通信を同時にサポートするSTM32WBA6シリーズは、Matterを利用する応用機器に最適です。Matterは他のプロトコルよりも最上のレイヤで走るように設計されているからです。幅広いSTM32Cube開発エコシステムに含まれるX-CUBE-MATTERソフトウェア・パッケージにはMatter SDKが組み込まれており、アプリケーション事例も付属しているため、開発が簡略化されます。
- このワイヤレス・サブシステムは性能が向上し、感度が-100dBmに高められたため、指定された最大範囲にわたり信頼性の高い接続を実現します。
- STM32WBA5およびSTM32WBA6は、浮動小数点ユニットとDSP拡張機能を備え、高電力効率のArm Cortex-M33プロセッサをエンジンとしており、最大100MHzで動作します。
- STM32WBA6シリーズは、欧州無線機器指令(RED)の最新サイバー・セキュリティ要件に対応しています。SESIP3認証の目標は、顧客のシステム適合性を大幅に緩和することです。
- UFQFPN48(7 x 7mm)から121ピンのUFBGA121(6 x 6mm)まで、幅広いパッケージ・オプションで提供されます。
- さらに、薄型WLCSP(ウエハレベル・チップ・スケール・パッケージ)のWLCSP88(わずか3.78 x 3.46mm)でも提供されます。
STM32WBA6は現在量産中で、1万個購入時の単価は約2.50ドルです。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約50,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。