search-history

ブックマーク

STについて > ニュースルーム > すべてのニュース > STマイクロエレクトロニクス、性能・消費電力・コストのバランスに優れたIoT機器に最適なSTM32マイクロプロセッサを発表

言語バージョン

STマイクロエレクトロニクス、性能・消費電力・コストのバランスに優れたIoT機器に最適なSTM32マイクロプロセッサを発表

マイコンでは困難なアプリケーションに対応する、高性能・高効率・低コストで豊富なセキュリティ機能を備えたシングルコア・マイクロプロセッサSTM32MP13

article image

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最新のSTM32マイクロプロセッサ(MPU)「 STM32MP13シリーズ 」を発表しました。同製品は、セキュアかつ安全で、持続可能な生活の実現に貢献する次世代スマート機器に最適です。

スマート・ビルディング、ファクトリ・オートメーション、スマート・シティにおいては、省電力化、運用コストの削減、安全性向上、およびユーザ体験の向上へのニーズが高まっています。産業オートメーションや通信ゲートウェイ、決済端末、生活家電、制御パネルなど、これらのニーズに対応する最新のアプリケーションでは、高いソフトウェア実行能力、低消費電力、強力なセキュリティ、および先進的な機能を集積したプロセッサが求められています。

STは、このようなニーズに対応するため、STM32マイクロコントローラ(マイコン)のノウハウと広範な開発エコシステムを活用してMPUを開発しています。「STM32MP13シリーズ」は、STM32 MPU製品を拡充する新しい製品で、現在量産中です。同製品は、STM32 MPUの中で最も低コストであり、製品開発における選択肢を拡大します。また、最新のセキュリティ機能をサポートし、IoT機器を保護します。

STの汎用マイクロコントローラ・サブグループ エグゼクティブ・バイスプレジデントであるRicardo De Sa Earpは、次のようにコメントしています。「STM32MP13は、シングルコアMPUとして消費電力、コスト、性能のバランスが最適化されており、一般的なハイエンドのマイコン以上の性能が求められるアプリケーションに対応可能です。最先端のセキュリティ機能を搭載しているため、SESIPレベル3やPayment Card Industry(PCI)PTS/POI 6.0など、現在の主要なセキュリティ規格に準拠した最終製品の認証取得をサポートします。」

STM32 MPUの主要顧客であるHID社は、アクセス制御機器の1つである重要な設計にSTM32MP13を採用しました。HID社のアクセス制御機器 PACSディレクターであるDamon Dageenakis氏は、次のようにコメントしています。「当社がこの新しいMPUに認める主なメリットは、優れた性能や処理能力、電力効率に加え、あらゆる強力なサイバー・セキュリティ属性や、暗号エンジン、セキュア・ブートなどのセキュリティ機能を実現する能力、および当社の厳格なペリフェラル要件に対応できる点です。」

STM32MP13シリーズは、Arm® Cortex®-A7(最大動作周波数1GHz)をアプリケーション・プロセッサとして搭載し、STM32マイコンで実績のあるペリフェラルおよび低消費電力技術を集積しています。また、暗号化アクセラレータ、SCA堅牢化 / 保護、耐タンパ性、セキュア・ストレージ、Arm TrustZone®およびTrusted Firmware(TF-AおよびOP-TEE)によるセキュアな処理環境などを使用することで、IoT機器において高水準のセキュリティを実現します。ペリフェラル機能には、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)といった産業機器への組込みを簡略化するギガビット・イーサネット・ポートなどが含まれています。

開発ツールおよびソフトウェアは、既存のSTM32MP15シリーズと共通です。Linuxのボード・サポート・パッケージ(BSP)、ドライバ、セキュアな製造に対応したセキュア・ブートチェーン、一般的なアプリケーション・フレームワークを備える完全にメインライン化されたOpenSTLinux Distributionが含まれています。OpenSTLinux Distributionは、製品開発期間の短縮と開発コストの削減に貢献し、ソフトウェアのシームレスな移植と拡張を実現します。また、STM32MP13およびSTM32MP15シリーズすべての製品で利用可能な新しいX-LINUX-RT拡張パッケージにより、Linuxリアルタイム機能を拡張することもできます。

技術情報
STM32MP13シリーズは、マイコンとアプリケーション・プロセッサのギャップを埋める製品であり、強力なSTM32マイコンの開発エコシステムを活用した包括的なツール・セットによってサポートされています。ST認定パートナー企業であるQt社のグラフィック・フレームワークとあわせて使用することで、洗練されたユーザ・インタフェースを短期間で迅速に開発可能です。Qt社とSTは、幅広い分野で協力しているため、強力なツールや最適化されたライブラリを活用するとともに、STM32マイコンからコードを簡単に移植することができます。

Qtグループの製品管理担当シニア・バイスプレジデントであるMarko Kaasila氏は、次のようにコメントしています。「新しいSMT32MP13は、特に産業用とセキュリティ関連のユース・ケースにおいて、高コスト効率のMPUに対するQtのサポートを強化します。当社のクロスプラットフォームの開発 / テスト・ツールを使用してSTのマイコン / MPUにアプリケーションを導入することで、製品開発における大幅な生産性の向上が可能です。マイコンからMPUまで、同じコードベースを使用して一貫性のあるユーザ体験を実現することができるため、きわめて拡張性に優れたアプローチです。」

STM32MP13シリーズは、MPUの優れた処理性能、柔軟性に優れたパワー・マネージメント、リアルタイムOS(RTOS)のサポート、および一般的にマイコンに内蔵されるセキュリティ機能やペリフェラルを備えています。さらに、幅広いパッケージ・オプションで提供されるため、コストや柔軟性の最適化に貢献します。高コストのレーザー・ビアを使用せず、低コストの4層基板を使用した設計も可能です。STは、設計の負担を軽減する基板レイアウト・サンプルも提供しています。

また、STM32 MPU専用のパワー・マネージメントIC(PMIC)「STPMIC1」 も提供されています。同製品は、消費電力を最適化し、優れた電力定格とバッテリ駆動アプリケーションの長時間駆動を実現します。STのPMICは、ディスクリート部品を使用したカスタム・ソリューション開発と比較して、部品コスト、開発工数、および基板面積の削減に貢献します。

STM32MP13シリーズには、「STM32MP131」、「STM32MP133」、および「STM32MP135」の3製品が含まれています。3製品ともに現在量産中で、10,000個購入時の参考価格は約3.16ドルです。また、その他の価格オプションも用意されています。サンプルおよび評価ボードは、STの販売代理店から入手可能です。

詳細については、 ウェブサイト をご覧ください。

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。

言語バージョン

Change language