STマイクロエレクトロニクス、超高速充電を実現するQi規格準拠 100Wワイヤレス充電レシーバICを発表
超高出力によりモバイル機器のユーザ体験を高め、医療機器およびスマート・インダストリの新たな可能性を創出
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多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、業界最高クラスの100W出力を備えたワイヤレス充電レシーバIC「STWLC99」を発表しました。同製品は、市場でも最速クラスのワイヤレス充電を実現し、ハイエンド・スマートフォンの大容量バッテリを30分未満で充電できます。
STのアナログ・カスタム製品部 ジェネラル・マネージャであるFrancesco Italiaは、次のようにコメントしています。「現代のデジタル化社会において、スマートフォンは日常生活だけでなく、多くの人にとってビジネス・ツールとしても欠かせないものになっています。STWLC99は、充電を大幅に高速化することでスマートフォンの可用性を高め、ユーザの生活に対する新たな価値提供に貢献します。これまでにない高出力で充電時間を短縮することで、長時間の稼働を実現し、バッテリ駆動の産業用工具や、医療用モニタ、医療用ポンプ、モバイル・ロボット、ドローンなど、幅広い機器に新たな可能性を提供します。」
高出力ワイヤレス充電は、ユーザの利便性向上だけでなく、電源ソケットと電源コードが不要な産業機器の開発も可能にし、設計者にさまざまなメリットを提供します。充電ソケットが不要になることで、省スペース化や過酷な環境における防水性・防塵性の実現にも貢献します。さらに、電源コードのねじれや絡みによるトラブルを防ぐこともできます。ロボットやドローンなどのモバイル・デバイスは、ケーブル接続や人間の介入無しで簡単に充電することができます。
STWLC99は現在量産中で、WLCSPパッケージ(4.859m x 4.859mm)で提供されます。単価は約2.50ドルです。
技術情報
STWLC99は、低オン抵抗のMOSFETによる同期整流器と低ドロップアウト(LDO)レギュレータで構成される電力効率に優れたアーキテクチャを備えており、入力電力を最小限の損失と低放熱でバッテリに出力します。
また、Qi1.2.4および1.3規格に準拠しているため、Qi Extended Power Profile(EPP)に対応するとともに、急速充電に最適化されたSTのSTSuperCharge(STSC)プロトコルも採用されています。STのSTWBC2-HPトランスミッタ・ソリューションと組み合わせた場合、バッテリ充電電力は最大100Wに達します。
STWLC99は、設定パラメータ保存用の不揮発性メモリを内蔵し、設定データの交換および充電制御用のI2Cインタフェースを備えています。また、正確な電流検出による異物検出(FOD)、送信モードでのQファクタ検出、過電流 / 過電圧 / 過熱保護など、包括的な安全機能を搭載しています。
STWLC99は、他のデバイスを充電するための最大25WのトランスミッタICとしても動作可能です。