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STマイクロエレクトロニクス、Industry 4.0アプリケーションにおける振動モニタの普及を加速

  • 産業用モニタリングに最適なMEMS加速度センサのIIS3DWB
  • プラグ・アンド・プレイ型の評価キットがアプリケーション開発を加速
  • 状態モニタに基づいた予知保全を実現する利便性と経済性に優れたソリューション

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、工場設備のスマートなメンテナンスに最適な新しい振動検知ソリューションを発表しました。このソリューションは、次世代のIndustry 4.0向けアプリケーションの実現を加速させます。

3軸MEMS加速度センサの「IIS3DWB」およびマルチセンサを搭載した評価キットの「STEVAL-STWINKT1」は、状態モニタ・システムの開発を加速します。状態モニタは、設備のメンテナンス時期を推測することで生産性の向上に貢献します。計測した振動データをローカルまたはクラウド上で分析し、メンテナンスの計画に活用することで稼働時間の最大化やメンテナンス・コストの最小化、および予知保全を実現します。

IIS3DWBは、産業用の振動検出に最適な3軸MEMS(1) 加速度センサです。STEVAL-STWINKT1は、IIS3DWBに加えて、各種センサ、超低消費電力マイクロコントローラ(マイコン)と振動データ処理アルゴリズム、Bluetooth® ワイヤレス・モジュール、およびUSBコネクタを搭載しており、試作開発およびテストを簡略化します。STEVAL-STWINKT1はバッテリとともにプラスチック・ケースに封止されており、アプリケーション開発をすぐに始められる利便性に優れたリファレンス設計です。また、高速データ・ロガーとクラウド・ベースのダッシュボード・ユーティリティにより、データの収集・分析やその結果の可視化を簡単に行うことができます。

STのシステム・リサーチ & アプリケーション担当バイスプレジデントであるAlessandro Cremonesiは、次のようにコメントしています。「機械の状態モニタリングは、産業の電子化における中核を担っており、生産現場のパフォーマンスと安全性を向上させると共に、新しいサービスやビジネス・モデルを実現します。IIS3DWBおよびSTEVAL-STWINKT1 は、高性能と低価格なプラグ・アンド・プレイ型のソリューションとして、性能とコスト効率に優れた産業機器のセンシングを実現します。」

IIS3DWBは既に、Industrial IoT(IIoT)技術のイノベータであるスウェーデンのSPM Instrument社に提供され、同社のバッテリ駆動ワイヤレス振動センサである「AIRIUS」に採用されています。SPM Instrument社のグローバル・ディレクターであるRikard Svärd 氏は、次のようにコメントしています。「当社がIIS3DWBを採用した理由は、3軸センシング、広帯域、低ノイズ、低消費電力、デジタル出力といった特徴が独自に組み合わされている点にあります。これらを活用することで、AIRIUSの性能、設計サイクル、およびコストにおいて、設定していた目標を達成することができました。」

IIS3DWBは現在量産中で、14ピンのプラスチック製LGAパッケージで提供されます。価格は、約9.00ドルです。STEVAL-STWINKT1はSTから入手可能で、価格は約99.00ドルです。

技術情報
STの最先端の超広帯域3軸MEMS加速度センサであるIIS3DWBは、機械のメンテナンス時期を推測するための主要パラメータである振動を検出します。同製品は振動モニタリングに最適化されており、STが産業機器向け製品に適用している10年間の長期製造保証プラグラムの対象です。最大6kHzまでのフラットな周波数応答性と低ノイズを両立し、エリアシング・ノイズを防ぐために急峻なカットオフ特性と高い減衰性能を備えているため、機械の故障を高い精度で安定して検出することができます。また、低消費電力のため、単体で駆動するセンサ端末の動作時間の最大化に貢献します。IIS3DWBの主な特徴は以下のとおりです。

  • 3軸すべてで広帯域かつフラットな周波数応答を持ち、他社製品で必要となる外部での複雑な信号処理が不要
  • 信号処理、A-Dコンバータ、フィルタ、帯域幅のイコライゼーションなど、すぐに使用できるデジタル機能を搭載
  • 低ノイズ: 75µg/√Hz(3軸モード)と60µg/√Hz(1軸モード)をオンザフライで選択可能
  • 動作温度範囲: -40°C~105°C
  • 動作電流: 3軸のフル動作モード時で1.1mA

業界をリードするSTのMEMS技術を活用したSTEVAL-STWINKT1評価キットには、IIS3DWBのほかにも複数の小型センサが搭載されています。また、Bluetooth® Low Energyに対応しているため、エッジ端末への接続やインターネットへの直接接続が可能です。さまざまな内蔵機能により、労力のかかるセンサの組込み作業が不要となるため、アプリケーションの開発に注力し、製品開発期間を短縮することができます。また、高速データ・ロギングなどの先進的なソフトウェア機能により、機械学習やAIといった最先端のアプリケーションへの活用もできます。さらに、STEVAL-STWINKT1は、同様の製品よりも約1/4以下の価格のため、Industry 4.0による産業の電子化の実現において、コストの削減に大きく貢献します。

STEVAL-STWINKT1の特徴

  • クラス最高の産業用センサ: 慣性センサ、温湿度センサ、大気圧センサ、デジタル・マイクロフォンおよび広帯域アナログ・マイクロフォン
  • FPU付きArm® Cortex®-M4プロセッサ搭載の超低消費電力マイコンSTM32L4R9ZI(最大動作周波数:120MHz、Flashメモリ:2048KB)を搭載し、パワー・マネージメントを最適化
  • セキュアな接続と認証を実現するSTSAFE-100セキュア・エレメントICを実装可能
  • 無線通信機能としてBluetooth Low Energy4.2を搭載し、RS485およびUSB On The Goによる有線通信にも対応
  • 振動解析用の前処理アルゴリズム: 実効値の移動平均処理およびプログラマブルなFFT(オーバーラップ、平均化、窓関数など)
  • SDカードにリアルタイムで保存できる高速データ・ロギング、および最大ODR(アウトプット・データ・レート)に設定した複数センサ(22個)からのデータをUSB経由 でストリーミング可能
  • 専用のクラウド・アプリケーションおよびダッシュボード
  • オプションのWi-Fi拡張ボード(STEVAL-STWINWFV1)、およびP-L496G-CELL02評価キットに付属するSTMod+セルラー拡張ボードが利用可能

(1)MEMS微小電気機械システム(Micro Electro-Mechanical Systems)。STMEMS技術のリーダーとして、加速度センサ、電子コンパス、大気圧センサ、マイクロフォン、および慣性計測ユニットなどの製品ポートフォリオを取り揃えており、ドローン、ナビゲーション機器、スマートフォン、ウェアラブル機器を産業・車載・コンスーマ機器向けに提供しています。

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