STマイクロエレクトロニクス、 スタートアップ回路の設計が不要な高集積PFC昇圧コンバータを発表
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STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、800Vのスタートアップ回路と優れた独自機能を集積したPFC(力率改善)ブースト・コンバータ「L4985A/B」および「L4986A/B」を発表しました。これらの製品は、設計の簡略化と柔軟性の向上に貢献します。
L4985A/BおよびL4986A/Bには、高電圧スタートアップ回路が内蔵されているため、補助回路の無い設計を実現可能です。これにより、部品コストの削減や、起動の信頼性向上に貢献します。また、スタートアップ回路には、AC電源との接続が途絶えたときに入力フィルタのXコンデンサを安全に放電する内部ロジック回路も搭載されています。これにより、従来の放電抵抗で生じていた電力損失がなくなり、IEC 61010-1やIEC 62368-1などの安全規格への準拠が簡略化されます。
同製品は、PFCプリレギュレータとして、IEC 61000-3-2などの高調波歪みに関する要件を満たす必要がある機器に使用できます。デスクトップPC、サーバ、ゲーム機、テレビなどの電源や、産業用・医療用スイッチング電源(SMPS)、電動バイクの充電器など、幅広いアプリケーションに最適です。また、独自の乗算器エミュレータや、全高調波歪み(THD)をあらゆる動作条件で最小化する専用回路を内蔵しているため、LED照明用の安定した電源品質も実現可能です。
L4985A/BおよびL4986A/Bは、独自のオフタイム・モジュレータにより、あらゆる負荷条件において擬似固定周波数で動作することで設計の簡略化に貢献します。また、軽負荷時およびゼロ負荷時にはバースト・モードに切り替わります。動作周波数は、L4985AとL4986Aが65kHz、L4985BとL4986Bが130kHzです。さらに、L4986A/Bには、パワーグッド入出力ピンが搭載されています。PFCの出力がユーザ設定のしきい値に達した場合にロジック信号を生成するため、システム制御に利用できます。
また、主要なエコデザイン規格に適合する省電力設計に対応できるよう、すべての品種に低消費電力のアイドル・モードを起動できる外部入力ピンが搭載されています。
さらに、過電圧保護、フィードバック・ループ、誤設定、ブースト・インダクタ飽和に対する保護機能など、包括的な保護機能とモニタリング機能も内蔵されています。ソフトスタート機能により突入電流を制限し、出力電圧の安定化を図るとともに、ブラウンアウト / ブラウンイン検出機能によりあらゆるAC電源条件下で信頼性の高い起動を実現し、過剰な実効値電流を防止します。ブラウンアウト保護機能は、AC電源電圧の低下が最大500ms継続した場合に出力レギュレーションを維持することが要求されるIEC 60601-1-2に準拠した医療機器の実現に貢献します。
また、開発期間の短縮に貢献する評価ボード「EVL400W-80PL」も提供されています。同ボードは、CLEAResult®による80PLUS Platinumレベルに準拠した包括的なAC/DC電源です。全負荷時に90.2%、50%負荷時に92.49%の高効率を実現するEVL400W-80PLには、L4985、STの共振コントローラ「L6699D」、および同期整流コントローラ「SRK2001」が搭載されています。
L4985およびL4986のすべての品種は現在量産中で、L4985A/BはSO-8パッケージ、パワーグッド・ピン搭載のL4986A/BはSSOP-10パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約1.21ドルです。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。