STマイクロエレクトロニクス、USB Type-C® DRPに対応したSTM32マイコン用ポート保護ICを発表
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STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、デュアルロール・パワー(DRP)に対応したUSB Type-C®ポート保護IC「TCPP03-M20」を発表しました。同製品は、IoT機器の電源、および他のUSB Type-C電源から受電可能な製品の設計を簡略化します。
TCPP03-M20は、STのUSB Type-CおよびPower Delivery(PD)インタフェースIPを搭載した汎用32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32G0*、STM32G4、STM32L5、およびSTM32U5シリーズのコンパニオン・チップとして使用することで、USB Type-C実装部のパーティショニングを優れたコスト効率で実現します。ホスト・マイコンとしてSTM32マイコンを使用する2チップ・ソリューションを実現できるため、製品設計における部品コストや基板スペースの削減、および回路の簡略化に貢献します。
USB Type-C仕様に定義されているように、USB Type-C DRP対応機器(スマート・スピーカやスマートフォン、タブレット、ノートPC、カメラなど)は、電源シンク / ソースの切り替えやホスト / デバイスの切り替えを動的に行うことができます。これにより、バッテリ駆動機器間で電力の共有や保存を行う新たなユースケースが可能になると共に、機器の相互運用性も拡張することができます。USB Type-C仕様で定義されたDRP機能により、STのチップを内蔵するあらゆるUSB機器から、IoT機器のバッテリを充電することが可能になります。
TCPP03-M20は、2021年5月にIEEEマイルストーンを受賞したSTのBCDプロセスで製造されており、ロジック回路と高電圧回路を1チップにすることで高集積化と高信頼性を実現しています。また、BCDプロセスにより、偶発的な短絡や不良機器との接続を防止し、USB-C PD規格に準拠するために必要な保護機能である±8kVのESD保護(IEC61000-4-2レベル4)、過電圧保護、過電流保護を1チップに実装することが可能です。TCPP03-M20は、USB Type-CポートのVCONNおよびCCライン用スイッチ、電源ソース / シンク・パス用に2つのNチャネルMOSFETゲート・ドライバを備えたチャージ・ポンプ、VBUSおよびVCONN電源パスの放電回路、デッド・バッテリ・モードを搭載しています。
TCPP03-M20は、超低消費電力を特徴としており、USB DRPアプリケーションにおいて最適な電力効率を実現します。スタンドアロンのシンク・アプリケーションには「TCPP01-M12」、ソース・アプリケーションには「TCPP02-M18 BCD」が最適です。TCPP03-M20は、STのすべてのTCPP製品と同様に、プログラマブル・パワー・サプライ(PPS)機能を含むUSB Type-C PD 3.1 Standard Power Range(SPR)の最新機能に準拠しています。
STM32 Nucleo機能拡張ボード「X-NUCLEO-DRP1M1」、STM32Cube拡張ソフトウェア「X-CUBE-TCPP」および付属のアプリケーション・コード・サンプルも提供されており、TCPP03-M20を使用した最大100WのDRPアプリケーション開発を迅速に始めることができます。また、USB Type-C PDの設定をサポートするSTM32CubeMX、STM32G071B-DISCO USB-Cスニファ、STM32CubeMonitor-UCPDデバッグ・ツールなども提供されています。シンク・アプリケーション向けのSTM32 Nucleo機能拡張ボード「X-NUCLEO-SNK1M1」も提供されており、電源ソース開発用の「X-NUCLEO-SRC1M1」は、2021年末に提供を開始する予定です。
TCPP03-M20は現在量産中で、VFQFPN20パッケージ(4 x 4mm)で提供されます。単価は、1000個購入時に約0.951ドルです。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。