STマイクロエレクトロニクス、製造フットプリントの再構築ならびにグローバルなコスト基盤のリサイズに関する全社的なプログラムの詳細を発表
- さらなる効率化、自動化およびAI活用を通じて、ヨーロッパにおける先端製造に向けた主要な技術研究開発、設計および量産アセットを強化
- 2025年、2026年、2027年の投資計画では、300mmシリコン、200mm SiCの先端製造インフラおよび技術研究開発に重点を置き、グローバルに顧客メリットを提供
- すでに公表されているコスト基盤のリサイズおよび製造フットプリントの再構築を含む全社的なプログラムでは、従業員数の通常の減少に加え、3年間で全世界で最大2,800名の自主的な退職を予測
- 2027年以降、年間数億ドル規模のコスト削減目標を確認
最新情報はここから
メールで最新情報を受け取るには、プレスリリース配信にご登録ください。
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、グローバルな製造フットプリントの再構築プログラムの詳細について発表しました。これは、2024年10月に発表したプログラムの一環で、競争力のさらなる向上、世界的な半導体リーダーとしての地位の強化、技術研究開発・設計・量産にわたる戦略的資産のグローバルな活用による統合型デバイス・メーカーとしての長期的な持続可能性の確保を目的としています。
STマイクロエレクトロニクスの社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるJean-Marc Cheryは次のようにコメントしています。「本日発表した製造フットプリントの再構築は、ヨーロッパの戦略的資産とともに当社の統合型デバイス・メーカー・モデルを将来的に確証するもので、当社の革新能力をさらに向上させ、すべてのステークホルダーに利益をもたらすでしょう。先進的な製造インフラと主要な技術に注力する中で、当社は既存のすべての拠点を引き続き活用すると同時に、一部の拠点には長期的な成功をサポートするための再定義されたミッションを与えます。当社は、このプログラムを、長年にわたる価値観に従い、完全に自主的な手段を通じて、責任を持って運営していきます。イタリアとフランスにおける技術研究開発、設計、量産への取り組みは、今後も当社のグローバル事業の中心であり続け、主要技術への計画的な投資を通じて強化されるでしょう。」
製造オペレーション全体の効率を高めるイノベーションおよびスケールアップ
イノベーション・サイクルが短縮される中、STの製造戦略は、自動車、産業機器、パーソナル電子機器、通信インフラ分野にわたる世界中の顧客へ、革新的な独自技術と製品を迅速かつ大規模に提供するため、進化し続けています。
STの製造オペレーションの再構築と最新化には、2つの主要な目的があります。それは、300mmシリコン・ウェハ工場および200mm SiCウェハ工場などの将来に備えたインフラへの計画的投資を優先し、それらが重要な規模に達すること、そしてレガシーの150mm製造能力および成熟した200mm製造能力の生産性と効率を最大化することです。並行してST は、持続可能性に継続的に焦点を当てながら、技術研究開発、製造、信頼性、および認定プロセスのさらなる効率化のために AI や自動化を導入し、事業全体で使用される技術のアップグレードに向けて投資を継続する予定です。
ST の製造エコシステムの強化
今後 3 年間にわたる製造フットプリントの再構築では、フランスではデジタル技術、イタリアではアナログ技術とパワー技術、シンガポールでは成熟した技術といったSTの補完的な製造エコシステムを設計・強化していきます。これらの事業の最適化は、製造能力をフルに活用し、グローバルな競争に打ち勝つための技術的差別化を推進することを目的としています。既に発表しているとおり、現在の各拠点は、ST のグローバル事業の中で長期的な役割を果たし続けます。
アグラテ工場およびクロル工場の300mmシリコン製造施設
アグラテ工場(イタリア)の300mm製造施設は、STのスマート・パワーおよびミックスド・シグナル技術の主力量産工場となることを目指し、引き続き規模を拡大していきます。計画では、2027年までに現在のウェハ製造能力を週あたり4,000枚まで倍増させ、市況に応じて、モジュール式拡張により週あたり14,000枚まで増加させる予定です。300mm製造施設に重点を置くことに伴い、同工場の200mm製造施設はMEMS製造に再び注力することになります。
クロル工場(フランス)の300mm製造施設は、STのデジタル製品エコシステムの中核としてさらに強化されます。計画では、2027年までにウェハ製造能力を週あたり14,000枚まで増加させ、市況に応じて、モジュール式拡張により週あたり20,000枚まで増加させる予定です。さらに、大規模な電気ウェハ・ソーティング(EWS)と先進的なパッケージング技術をサポートするため、同工場の200mm製造施設を転換し、現在ヨーロッパには存在しない活動をリードします。光学センシングやシリコン・フォトニクスを含む、次世代の先進技術に焦点が置かれます。
カターニャ工場のパワー・エレクトロニクスに特化した製造施設およびコンピテンスセンター
カターニャ工場(イタリア)は、パワーおよびワイドバンドギャップ半導体の中核拠点として引き続きその役割を果たしていきます。新しいSiCキャンパスの開発は計画通りに進んでおり、200mmウェハの生産は2025年第4四半期に開始される予定です。これにより、次世代パワー半導体技術におけるSTのリーダーシップが強化されます。カターニャ工場における現在の150mmウェハおよびEWSをサポートするリソースは、GaN-on-Siを含む、200mmのSiC / Siパワー半導体の製造に再集中され、STの次世代パワー半導体技術におけるリーダーシップを強化します。
その他の製造拠点の最適化
ルッセ工場(フランス)は引き続き200mmウェハの製造に注力し、その他拠点からの追加生産量を再配分することで、既存の製造能力をフルに活用し、効率を最適化していきます。
ツール工場(フランス)は、特定の技術に向けた200mmシリコン・ウェハの製造を継続する一方、レガシー150mmウェハの製造はSTの他の拠点に移管されます。主にGaNのエピタキシャル成長に関するコンピテンス・センターとしての機能は継続します。また、ツール工場では、チップレットの主要な実現技術の1つであるパネルレベル・パッケージングといった新しい活動も開始されます。複雑な半導体製品を可能にするこの技術は、将来のSTにとって重要な技術です。
STの成熟した技術で製品を量産するアン・モ・キョ工場(シンガポール)は、引き続き200mmシリコン製造に注力するとともに、STのグローバルなレガシー150mmシリコン製造能力を集約します。
キルコップ工場(マルタ)にあるSTの大規模テストおよびパッケージング工場は、次世代製品をサポートするための重要な先進自動化技術を追加することでアップグレードされます。
労働力とスキルの進化
STが今後3年間で製造フットプリントを再構築する中、労働力の規模や必要なスキルは進化していきます。先進的な製造業では、反復的な手作業を伴う従来の工程から、工程管理、自動化および設計といった役割に重点が移行していきます。STは、各国で適用される規制に従うとともに、従業員代表との建設的な対話と交渉を継続的に行い、自主的な手段を通じてこの移行を進めていきます。現時点では、このプログラムにより、従業員数の通常の減少に加えて、全世界で最大 2,800名の自主的な退職が見込まれています。これらの変化は主に2026年および2027年に発生することが予想されています。なお、ステークホルダーに対しては、プログラムの進捗に応じて、定期的に最新情報が提供される予定です。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約50,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。