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STマイクロエレクトロニクス、A*STARおよびULVACと協力し、世界初の圧電MEMSのLab-in-Fab型研究開発ラインを設立

  • A*STARのInstitute of Microelectronics(IME)と日本の製造装置ベンダであるULVACと協力し、圧電MEMS技術への取り組みを強化
  • 概念実証から量産への移行期間を短縮し、AR / VR、医療、3Dプリンタなどの新しいアプリケーションにおける圧電MEMSの普及促進を目指す初のコンセプト
  • 最初のウェハ製造は2021年第2四半期、量産は2022年末を予定

多種多様な電子機器に半導体を提供し、MEMS(Micro-Electromechanical Systems)技術において世界をリードする半導体メーカーであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)の研究機関であるIMEと日本の主要製造装置ベンダであるULVACと協力し、圧電式MEMS技術に特化した8インチ(200mm)ウェハの研究開発用ラインをSTのアンモキョ工場(シンガポール)に設立して運用することを発表しました。この世界初のLab-in-Fab型研究開発用ラインは、3パートナーの協力により、圧電MEMS材料、圧電MEMS技術、および製造装置の分野において最先端かつ相補的な能力を備えています。これらによりイノベーションが推進されると共に、新材料やプロセス技術、および顧客向け製品の開発が加速されます。

このLab-in-Fab型研究開発用ラインは、STのアンモキョ工場内の新しいクリーンルーム・エリアで構成され、ST、A*STAR、およびULVACの装置が設置されると共に、MEMSの研究開発やプロセス技術を専門とする科学者やエンジニアなど専門性の高いリソースも配置されます。IMEは、圧電MEMS素子の設計、プロセス統合やシステム統合に関する専門知識や業界をリードしてきた実績により、この研究開発用ラインに価値を提供します。また、量産までのフローを同じロケーションで円滑に完結させるための、最先端の装置を提供します。この研究開発用ラインでは、STの既存リソースも利用されるため、STのウェハ工場によるスケール・メリットも活用できす。最初のウェハの製造は2021年第2四半期を予定しており、量産は2022年末を予定しています。

STのアナログ・MEMS・センサ製品グループ 社長 Benedetto Vignaは、次のようにコメントしています。「STは、長期にわたり協力してきたIMEとULVACと共に、圧電材料、技術および製品において世界をリードする研究開発センターをSTの戦略的拠点であるシンガポールの工場に開設します。このLab-in-Fab型研究開発用ラインによって、当社の顧客は、より簡単に概念実証から製品開発、量産への移行ができるようになるでしょう。」

今回の協力は、STのシンガポールにおける既存の製造プロセス・ポートフォリオを拡充すると共に、スマート・グラス、ARヘッドセット、LiDARシステム向けのMEMSミラー、先端医療向けの圧電MEMS超音波トランスデューサ(PMUT)、商工業用3Dプリンタ向けのピエゾ・ヘッドなど、将来性のある新しいアプリケーションにおける圧電MEMSアクチュエータの普及を促進します。

IMEのエグゼクティブ・ディレクターであるDim-Lee Kwong教授は、次のようにコメントしています。「IME、ST、ULVACによる官民連携が、独自の研究開発用ラインの設立へとつながりました。この研究開発用ラインでは、圧電材料を使用した画期的な製品を開発し、パートナー企業の競争力向上に貢献します。これらの取り組みは、シンガポールにおける高付加価値研究開発事業を引き続き支援し、業界リーダーが事業の革新と成長を図る上で、シンガポールが魅力的な環境であることを実証するでしょう。A*STARは、現地の中・小規模企業が我々の技術を活用できるように支援します。この研究開発用ラインを活用し、我々と協力して概念実証を行う企業を喜んでお迎えします。」

ULVACの執行役員 兼 シニア・フェローである鄒 弘綱(Koukou SUU)博士は、次のようにコメントしています。「STとIMEとともに、将来性のあるさまざまなアプリケーション向けの先進的な圧電MEMS開発に取り組めることを光栄に思います。今回の協力は、圧電MEMS業界への製造技術ソリューションの提供において、ULVACが主導的地位にあることを強く示すものです。共同事業の成功に向けて各パートナーと緊密に連携できることを楽しみにしています。」

注記
圧電ベースの電子部品として、アクチュエータやセンサを製造するために、数十年にわたってバルク圧電材料が幅広く使用されています。近年のプロセス技術の進歩により、MEMS業界では圧電薄膜を使用したウェハ・レベルでの製品設計 / 製造が実現し、さらなる小型化、性能向上、コスト削減が可能となりました。

今回発表されたLab-in-Fab型研究開発用ラインは、シンガポールにおけるSTの事業が2019年に50周年を迎えてから1年後に開設されることになります。また、シンガポールの新しい8インチ(200mm)ウェハ製造設備(SG8E)も同時に運用が開始されます。

Institute of MicroelectronicsIME)について
Institute of Microelectronics(IME)は、A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)の研究機関です。学術界と産業界の研究開発における橋渡し役として、戦略的競争力、革新技術、知的財産の創出を通じてシンガポールの半導体業界の価値向上をミッションとしています。また、企業の技術競争力向上、優秀な技術者の育成・確保、および業界への新たな知識の導入も目指しています。主な研究分野は、新機能集積技術、システム・イン・パッケージ、センサ、アクチュエータおよびマイクロシステム、RFおよびミリ波、SiC / GaN-on-SiCパワー・エレクトロニクス、MedTechです。IMEの詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

アルバックについて
アルバックは1952年に設立され、包括的な真空技術により産業界の発展に貢献しています。独自技術と長年にわたる研究、開発、製造の技術革新を基盤として、ULVAC SOLUTIONSを作成しました。装置、材料、真空部品、分析評価といったさまざまなサービス向けのソリューションを、電子部品、半導体、太陽電池、フラット・パネル・ディスプレイ、その他の産業用機器メーカーに提供しています。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

A*STARへのお問い合わせ先
Ms. Lydia Sum
Assistant Head, Corporate Communications, A*STAR
Tel: +65 9825 3600
Email: sumcll@hq.a-star.edu.sg

アルバックへのお問い合わせ先
Advanced Electronics Equipment Division
TEL: +81 467 89 2139
Email: elec@ml.ulvac.com

*2020年10月28日にシンガポールで発表されたプレスリリースの抄訳です。

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