STマイクロエレクトロニクス、STM32マイコンとMicrosoft® Azure RTOSを活用したIoT機器の開発期間を短縮する新しいソフトウェアを発表
Microsoft®社との協力に基づき、STM32Cube開発エコシステムに完全統合されたソフトウェア拡張パッケージをリリース
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多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、汎用32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32ファミリとMicrosoft® Azure RTOSを活用した次世代のスマートIoT機器開発のサポートを強化するため、豊富な機能を備えた新しいSTM32Cube拡張パッケージを発表しました。
2020年、STとMicrosoft社は、STのSTM32Cube*開発エコシステムからMicrosoft Azure RTOS(リアルタイムOS)スイートのシームレスな利用を可能にするため、協力することを発表しました。この協力に基づいて今回発表された新しいSTM32Cube拡張パッケージには、追加のサンプル・コードが含まれており、設計上の課題を解決して製品開発期間の短縮に貢献します。ロイヤルティ・フリーで提供されるため、開発者はサンプルを入手後すぐに使用し、カスタマイズすることが可能です。
STのグループ・バイスプレジデント 兼 マイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるRicardo de Sa Earpは、次のようにコメントしています。「STM32Cube開発エコシステムは、業界をけん引する組込み開発向けエコシステムとして認められています。STは引き続き、顧客の開発プロジェクトに高い価値を提供する新しいソフトウェアやツールを追加していく予定です。最新のSTM32Cube拡張パッケージにより、Azure RTOSを利用する新製品の開発期間を大幅に短縮できると確信していただけるでしょう。」
最初の拡張パッケージとなる「X-CUBE-AZRTOS-H7」は、STM32ファミリの製品で最高レベルの性能を持つSTM32H7シリーズを対象としており、同シリーズを使用する開発を迅速に開始することができます。その他のSTM32マイコンに対応する拡張パッケージは、2021年内にリリースされる予定です。
超高性能STM32H7シリーズには、100品種以上のシングルコアおよびデュアルコア製品が含まれており、Arm® Cortex®-Mプロセッサ搭載マイコンとして業界最高のベンチマーク・スコアを実現する処理性能に加え、強力なグラフィック処理能力とハードウェア・ベースのサイバー・セキュリティを提供します。
X-CUBE-AZRTOS-H7は現在、ウェブサイトから無償でダウンロードできます。
技術情報
STM32Cube開発エコシステムでは、組込みソフトウェア / ハードウェア開発に役立つリソースが提供されています。STM32Cubeソフトウェア・パッケージおよびツールには、強力なマイコンの初期化コード自動生成ツール「STM32CubeMX」や、STM32CubeIDE統合開発環境、各種マイコンに専用のSTM32Cubeソフトウェア・パッケージ、用途に応じたSTM32Cube拡張パッケージが含まれています。また、低価格のSTM32 Nucleoボード、使いやすいDiscoveryキット、および豊富な機能を搭載した評価ボードなど、試作開発に役立つハードウェア・ツールが幅広く提供されています。
Microsoft Azure RTOSは、STM32Cubeのツールから利用可能です。X-CUBE-AZRTOS-H7は、STM32CubeMXおよびSTM32CubeIDEと互換性があるため、Azure RTOSのミドルウェア・スタックをGUIから直接設定することができます。また、STの各種開発ボード「NUCLEO-H723ZG」、「STM32H747I-DISCO」、「STM32H743I-EVAL」、および「STM32H735G-DK」向けサンプル・アプリケーションも多数含まれています。
Azure RTOSスイートには、リソースに制約のあるアプリケーションに適した、メモリ容量の小さいRTOS 「Azure RTOS ThreadX」や、さまざまなストレージ・メディア(RAM、Flashメモリ、取り外し可能メディアなど)に対応し、耐障害性を備えたFileX FATファイル・システムが含まれています。また、産業用のTCP/IPネットワーク・スタックとUSBスタックも提供されており、信頼性と電力効率に優れたIoT機器の開発において不可欠な要素が集約されています。
Azure RTOSに組み込まれた堅牢なサイバー・セキュリティには、Common Criteria(CC)EAL4+認証取得済みのIPレイヤ・セキュリティ(IPsec)およびソケット・レイヤ・セキュリティ(TLSおよびDTLS)プロトコルと、FIPS 140-2認証取得済みのソフトウェア暗号化ライブラリが含まれます。また、IEC 61508 SIL4、IEC 62304 Class C、ISO 26262 ASIL-Dなど、安全性の認証取得にもMicrosoft社が直接対応しています。
STM32Cube開発エコシステムの詳細およびツール / ソフトウェアのダウンロードについては、ウェブサイトをご覧ください。
また、ブログ記事もご覧いただけます。
*STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。