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2020年11月05日 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、超高速充電を可能にするQi規格準拠 50Wワイヤレス充電ICを発表

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、Qi規格に準拠し、超高速充電を実現するワイヤレス充電IC「STWLC88」を発表しました。同製品は、50Wの高出力を特徴とし、スマートフォンやタブレット、ノートPCといったパーソナル電子機器のワイヤレス充電をケーブル充電と同様に安全かつ効率的に、短時間で行うことができます。また、従来品の2倍の速さでスマートフォンを充電可能です。

パーソナル電子機器の充電に必要な高出力をワイヤレスで安全に供給するためには、効率や信頼性の高い通信、異物検出(FOD)、過熱保護、過電圧保護、過電流保護など、さまざまな課題に対処する必要があります。このような課題に対応するため、長年にわたりWireless Power Consortiumに参加しているSTは、業界標準のQi準拠ワイヤレス給電システムをベースに、特許取得済みのハードウェアや最先端の信号処理アルゴリズム、独自のST SuperCharge(STSC)プロトコルを使用したソリューションを開発してきました。STの顧客はこのような機能強化を通じて、STWLC88およびSTWBC2デジタル・コントローラで構成される包括的なターンキーTx/Rxソリューションを利用し、Qi規格への準拠と共に、高い電力効率と安全性を実現することができます。

STのアナログ・カスタム製品事業部ジェネラル・マネージャであるFrancesco Italiaは、次のようにコメントしています。「STの最新のワイヤレス充電ICであるSTWLC88は、業界最高クラスの効率、電力供給、およびきわめて高い安全性により、ワイヤレス充電アプリケーションに最適なソリューションを実現します。超高速充電を実現するワイヤレス充電ICのSTWLC88は、STの製品ポートフォリオをさらに拡充し、5G通信時代における高出力充電器へのニーズの高まりに合わせて幅広い電力レベルに対応します。」

STWLC88は、複数の回路を搭載することで外付け部品を大幅に削減しているため、基板面積に制約のあるさまざまなアプリケーションへの組み込みに最適です。また、WPCのQi 1.2.4 EPP規格に準拠しており、あらゆるQi EPP認定トランスミッタと完全な互換性を有しています。そのため、性能と安全性においてきわめて重要となる最先端の機能を利用でき、中・高出力のワイヤレス充電アプリケーションに最適な製品です。

STWLC88は現在量産中で、WLCSPパッケージ(4.0 x 4.5 x 0.6mm、110バンプ、0.4mmピッチ)で提供されます。大量購入時の参考価格は約2.5ドルです。

また、STWLC88と高度なGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を搭載した評価ボード「STEVAL-ISB88RX」も提供されており、試作開発の簡略化や製品開発期間の大幅な短縮が可能です。

技術情報
STWLC88には、超低インピーダンスかつ高電圧の同期整流回路と低ドロップアウト・リニア・レギュレータが集積されており、高い電力効率と低消費電力を実現しています。これらの特性は、温度上昇に影響されやすいアプリケーションできわめて重要となります。また、高出力時のASKおよびFSK通信の課題に対応する専用のハードウェアおよび高度なアルゴリズムが採用されています。さらに、きわめて精度の高い異物検出機能(FOD)や電流センス・システムも組み込まれているため、安全かつ制御された高出力の給電を実行できます。

STWLC88は高効率の送電モードでも動作し、高出力の給電共有モードに対応します。加えて、業界初となる受信機器でのQ因子検出機能を搭載しているため、動作の安全を確保し、エンドユーザを保護することができます。

I2Cインタフェースにより、ファームウェアとプラットフォームの開発において機器のパラメータをカスタマイズすることもできます。また、カスタマイズした設定を内蔵FTPにプログラムすることができ、1000回以上の再プログラミングが可能です。ファームウェアのパッチを追加することで、アプリケーションの柔軟性を向上させることもできます。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。