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2020年09月29日 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、IoT機器の高性能化・高付加価値化を実現するSTM32H7マイコンの新製品を発表

  • Arm® Cortex®-M7とFlashメモリを搭載し、業界最速レベルの550MHzで動作する高速マイコン
  • 最先端のサイバー・セキュリティ機能を備えた拡張性の高いアーキテクチャ
  • 豊富な機能を備え、機能安全設計に対応

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、超高性能32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32H7シリーズに業界最速レベルの550MHzで動作する新製品を追加しました。今回発表されたSTM32H723/733、STM32H725/735、およびSTM32H730バリュー・ラインはFlashメモリを内蔵し、コストが重視される製品で洗練されたグラフィックスAI、および最先端のサイバー・プロテクションといったハイエンドの機能を実現します。

新しいSTM32H7マイコンはシングル・コアArm® Cortex®-M7を搭載し、業界最速レベルの550MHzで動作します。組込みアプリケーション向けに最大1MBのFlashメモリを搭載し、コストが重視される製品の高性能化と低コスト化に貢献します。

また、処理性能とセキュリティ処理性能を落とすことなく外部メモリへのアクセスが可能です。フレキシブル・メモリ・コントローラ(FMC)やOcto-SPIメモリ・インタフェースなどを搭載しているため、内部メモリと外部メモリのどちらで実行した場合でも、ベンチマークテストで2778CoreMark®(1) と1177DMIPSという優れた性能を実現します。これにより、高解像度 / フルカラーのグラフィックスや動画など、大きなフレーム・バッファが必要で大量のメモリを消費するアプリケーションにおいて、より実体験に近い洗練されたグラフィックスを実現可能です。

さらに、フルカラーのユーザ・インタフェース開発に役立つツールとして、STM32Cube開発エコシステムの拡張パッケージ(X-CUBE-TOUCHGFX)として提供される組込みGUI(グラフィック・ユーザ・インタフェース)開発ツール「TouchGFX」およびプログラミング・ツールの「TouchGFX Designer」を無償で利用することができます。

STM32Cube開発エコシステムでは、AI技術で動作する先進的な機能の開発も可能です。無償で提供される組込みAI開発ツール「STM32Cube.AI(X-CUBE-AI)」により、マイコンへのニューラル・ネットワークの移植や、パラレル・カメラ・インタフェースによるコンピュータ・ビジョンを活用することができます。STM32H7をさまざまなセンサと接続することで、機械学習技術を活用した状態モニタリングなどのソリューションを実現できるため、より高い付加価値を備えた製品開発が可能です。

STM32*ファミリ向けのセキュリティ・エコシステムである「STM32Trust」には、強化されたサイバー・プロテクション機能が含まれており、On-The-Fly復号機能(OTFDEC)やセキュア・ファームウェア・インストール(SFI)などをサポートしています。OTFDECは、暗号化されたコードを外部メモリから実行できる技術です。また、SFIにより、メーカーは世界中どこからでも標準製品をオーダーし、暗号化されたコードのみでプログラミングすることができます。これら2つのソリューションは、Flashメモリに保存された機器メーカーのソフトウェアIPの効果的な保護に貢献します。さらに、セキュア・ブート、対称暗号(ハードウェア・ライブラリまたはソフトウェア・ライブラリを使用)、暗号鍵のプロビジョニングなど、すぐに使用できるセキュリティ機能も用意されています。ソフトウェア・ライブラリを使用した非対称暗号も利用可能です。暗号化処理は真乱数発生器およびAES-128 / -192 / -256用ハードウェア・アクセラレータにより実行され、GCMとCCM(2)、トリプルDES、ハッシュ・アルゴリズム(MD5 / SHA-1 /  SHA-2)に対応しています。

STのマイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるRicardo De Sa Earpは、次のようにコメントしています。「最新のSTM32H7マイコンでは、STM32ファミリが持つ卓越した価値や効率を活用しつつ、機能性と性能に優れた小型・低消費電力の製品を開発することができます。従来はAI、グラフィックス、音声認識のような演算負荷の高い機能を搭載できなかった生活家電製品、小型の医療機器、産業用センサ / アクチュエータなどの機器に最適なソリューションです。」

新しいSTM32H7マイコンには、熱損失による制約を克服し、最大125°Cで動作する内蔵スイッチング電源(SMPS)など、産業機器に大きなメリットを提供する重要な機能も搭載されています。また、全メモリのエラー訂正コード(ECC)をサポ-トしており、耐障害性にも優れています。

また、新しいSTM32H7マイコンを使用した開発をすぐに始められるよう、STM32の開発エコシステムもアップデートされました。STM32H735G-DK Discoveryボードにより柔軟性の高い試作開発・検証ができるほか、STM32 Nucleo開発ボード「NUCLEO-H723ZG」では、試作モデルや概念実証モデルを、コストを抑えつつ短期間で開発可能です。最新のSTM32H7マイコンもSTM32Cube開発エコシステムに対応しており、開発ツールや組込みソフトウェアのほか、グラフィック・ライブラリ、通信用スタック、およびサンプル・アプリケーション(モータ制御、AI、先進的なセキュリティ機能など)といったミドルウェアを活用することができます。

Arm® Keil社およびIAR Systems社から提供されているアプリケーション / セキュリティ開発用のソフトウェア・ツールにより、さらなる機能を実現することも可能です。

IAR Systems社の組込みセキュリティ・ソリューション担当ジェネラル・マネージャであるHaydn Povey氏は、次のようにコメントしています。「STの最新のSTM32H7マイコンは、革新的な価値、性能、セキュリティ強化を提供します。高性能の暗号化アクセラレータや先進的な外部メモリ保護機能、暗号鍵のプロビジョニングといったセキュリティ機能はすべて、最新のEN303645規格などの法規制に対応する上で重要な機能です。私たちは、セキュリティ・ツールC-Trustを備えたIAR Embedded Workbenchが、次世代機器の設計者の能力を最大限に引き出す開発環境として選ばれることを期待しています。」

STM32H723/733STM32H725/735、およびSTM32H730バリュー・ラインには、さまざまなパッケージ・オプションが用意されています。STM32H730VBT6の大量購入時の単価は、約2.83ドルです。

技術情報

STM32H723/733、STM32H725/735、およびSTM32H730バリュー・ラインはすべてArm Cortex-M7を搭載し、業界最速レベルの550MHzで動作します。またシングル・コアのアーキテクチャでコスト・パフォーマンスに優れた先進的な性能に加え、さまざまなアプリケーションの性能、電力効率、および柔軟性の向上に貢献する以下の機能を搭載しています。

  • 各16KBの命令キャッシュとデータ・キャッシュ
  • 速度重視の処理でゼロ遅延を可能にする再マッピング機能を備えた密結合命令RAM(ITCRAM)
  • STの実績あるFMAC(フィルタ)とCordic(三角関数演算)による数値演算アクセラレータ
  • 各種暗号化アルゴリズムをサポート
  • 先進的なアナログ・ペリフェラル(16bit ADC x2 / 低電源ドメインの12bit ADC x1など)
  • 一般的な産業用通信規格に対応(FD-CANポート x3 / イーサネット / Parallel Synchronous Slave Interface(PSSI)など)
  • STのChrom-ART アクセラレータ™による優れたグラフィック性能

 

また、ブログ記事もご覧いただけます。

(1) CoreMark EEMBC®Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)の認証ラボの解析に基づいて計算された比較用スコア
(2)ブロック暗号を使用した暗号化におけるカウンタ・モード

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。