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2020年02月18日 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、 環境にやさしく安全なEVを実現する革新的なバッテリ・マネージメントICを発表

  • 新しいバッテリ・マネージメントICにより、EVの航続距離、信頼性、安全性を向上
  • 業界最高レベルの電圧測定精度と温度モニタに加え、革新的な機能を搭載

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSESTM、以下ST)は、電気自動車(EV)の信頼性、安全性、航続距離、およびコスト効率を向上させる新しいバッテリ・マネージメントICL9963を発表しました。

EVは、2030年までに従来の内燃エンジン自動車と同等の価格となり、販売台数では2038年までに上回ると予想されています(1)STは、自社技術を活用し、自動車メーカーをサポートすることでEVの普及に貢献しています。今回発表した先進的なバッテリ・マネージメントICは、業界最高レベルの電圧測定精度により航続距離とバッテリ寿命を延長すると同時に、温度モニタ用の入力の追加により安全性を向上させています。

 

L9963は、STのバッテリ・マネージメント・システム(BMS)プログラムにおける最新世代の製品です。同プログラムでは、EV用バッテリを開発する主要な機関・企業と協力し、これまでにも先進的な製品を開発してきました。2008年に開始され現在も進行中のLG Chem社との共同開発や、2017年に発表された、中国の研究開発機関であるIMECASおよびEV用バッテリ技術を開発するEPOCH社との共同開発などが挙げられます。

 STのオートモーティブ & ディスクリート製品グループバイスプレジデント  スマート・パワー・ソリューションMACRO事業部ジェネラル・マネージャであるAlberto Pomaは、次のようにコメントしています。「STは、電子技術の専門性を最大限に広げ、より環境にやさしいモビリティの実現に貢献しています。新しいバッテリ・マネージメントICは、EV用バッテリ・マネージメント技術における主要パートナーとの10年以上にわたる協力により実現しました。同製品は、EVのバッテリ・マネージメントにおけるあらゆる側面を強化し、市場訴求力と信頼性を高めてユーザ体験の向上に貢献します。」

 一般的なBMSアプリケーションでは、STSPC5をはじめとする高性能かつ安全性に優れた車載用マイクロコントローラによって制御される複数のL9963を使用してバッテリ・スタック内の複数のセルをモニタします。

 L9963は現在量産中です。詳細および価格については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。

 (1) https://about.bnef.com/electric-vehicle-outlook/


技術情報
L9963は、スタックされたバッテリ・セルを14個までモニタでき、1.7V4.7Vの範囲において±2mV以下の誤差で電圧を測定してセルの状態を保全します。電圧の測定値は、すべて測定と同時にデジタル化されるため、セルの同期遅延をなくすことができ、このタイプのバッテリ・マネージメントICでは初の機能と考えられています。

 また、外付けの温度センサを7個までモニタできるため、システムによる変動の検知と安定性の維持を強化できます。

 L9963ISO 26262規格に基づくASIL-Dに準拠し、完全な冗長性を持つセル測定回路が内蔵されているため、安全性の向上に加えて「リンプ・ホーム」モードにも対応可能です。また、自動車の安全要件を満たす包括的な異常検知および通知機能も搭載されています。

 シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)に加え、絶縁型のシリアル通信インタフェース(2.66Mbps)を備えており、バッテリ・スタック全体をモニタする複数のL9963間での高速通信に対応します。これにより、8個のL996396個のセルの測定 / 変換を4ms未満で実行することができます。さらに、トランスによる絶縁と容量性絶縁を組み合わせた動作も可能です。

 また、優れた堅牢性により、外付けのツェナー・ダイオードなしでホット・プラグに対応することができます。通常、バッテリをオフにすることができないため、BMS保護用にツェナー・ダイオードが必要ですが、L9963によってこれらの部品が不要となり、コスト削減が可能です。

 詳細については、ウェブサイトをご覧ください。