STマイクロエレクトロニクス、EMI抑制の簡略化や消費電力削減に貢献する車載用DCモータ向けゲート・ドライバICを発表
電動サンルーフ、パワー・ウィンドウ、スライド・ドア、電動トランクなどに最適
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STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、プログラミングや診断用のSPIポートと、チャージ・ポンプ回路、保護機能、およびシステム・モニタ用の電流センス・アンプ(2個)を備えた車載用ゲート・ドライバIC「L99H92」を発表しました。
L99H92は、ハイサイド・ドライバおよびローサイド・ドライバを2個ずつ内蔵しており、1個のハーフ・ブリッジを制御して双方向DCモータを1個駆動、または2個のハーフ・ブリッジを制御して単方向モータを2個駆動することができます。高集積かつ設定が簡単なため、電動サンルーフやパワー・ウィンドウ、電動トランク、スライド・ドア、シートベルトのプリテンショナーなどのアプリケーションに最適です。
チャージ・ポンプ回路がハイサイド・ドライバを駆動し、自動車のバッテリ電圧が変動した場合でも正常な動作を維持するため、電圧が5.41Vへと下がった場合でも出力電圧を維持できます。また、チャージ・ポンプ回路の出力電圧は外部ピンも利用できるため、MOSFETを制御することで、バッテリを逆接続した場合の保護も可能です。
ゲート駆動電流をSPIポートからプログラム設定することにより、スルー・レートを制御して電磁放射ノイズと放熱を最小限に抑えることができます。従来のドライバでスルー・レートを設定するには、通常、1個のMOSFETにつき最大4個の外付けディスクリート部品が必要でしたが、電流をプログラム設定することで、これらの部品を削減できます。最大170mAの駆動電流を供給できるため、ゲート容量の大きな高出力のMOSFETなど、幅広い外付けMOSFETとあわせて柔軟に使用可能です。
L99H92は、さまざまなシステム保護および診断機能を搭載しているため、優れた信頼性と安全性を備えています。過電流保護機能では、設定可能なしきい値を備えており、MOSFETのドレイン電流をモニタすることで過電流を検知します。また、貫通電流の保護機能はデッド・タイムを設定することによって実現し、優れた安全性と効率を保証します。さらに、過熱に対する早期アラートやシャットダウン機能、アナログ / デジタル電源入力の過電圧 / 低電圧保護機能、オフ状態でのオープン負荷および出力短絡検出機能を搭載しています。
入力はフェイルセーフにより、すべてのMOSFETを瞬時にオフすることができます。また、専用の診断ピンも搭載しているため、周期的なSPIの転送期間を待つことなく、即座に異常警報を出力できます。
さらに、システム状態のモニタリング用に2個の電流センス・アンプが内蔵されているため、部品数の削減に貢献します。これらの電流センス・アンプは、ハイサイド、ローサイド、およびインラインの検出に適しており、2個独立にゲインを設定でき、低オフセットと低熱ドリフトを実現しています。また、それぞれ独立してオフできるため、未使用回路の消費電流も削減可能です。
L99H92は現在量産中で、TQFP32パッケージまたは、外観検査が簡単なQFN32ウェッタブル・フランク・パッケージで提供されます。1000個購入時の単価は、QFN32パッケージが約1.7062ドル、TQFP32パッケージが約1.7246ドルです。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
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