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STマイクロエレクトロニクス、最大140WのUSB PDアプリケーション向けにデジタル電源制御ICを発表

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STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、高集積のデジタル電源制御IC「ST-ONEHP」を発表しました。同製品は、USB-IFによるUSB Power Delivery Extended Power Range(USB PD 3.1 EPR)規格認証を世界で初めて取得したデジタル電源制御ICです。

高集積・省電力のUSB PD用デジタル電源制御IC「ST-ONEファミリ」を拡充するST-ONEHPは、28Vの出力電圧を備え、最大140Wの充電器および電源アダプタの開発簡略化に貢献します。ST-ONEファミリ共通のアーキテクチャを採用するとともに、ゼロ電圧スイッチングの非相補型アクティブ・クランプ・トポロジに基づく制御に最適化されているため、高出力および高いスイッチング周波数において優れた効率を実現します。2次側レギュレーションやUSB PDインタフェースなどの重要機能を集積しているため、部品コストの削減や基板の小型化、設計簡略化に貢献します。また、内蔵の同期整流回路によって効率が最大化され、強化されたガルバニック絶縁により小型かつ安全性に優れたソリューションを実現します。

ST-ONEHPには、Arm® Cortex®-M0+ベースの電源コントローラが組み込まれており、すべての制御を行います。このコントローラには、認証済みのUSB PDファームウェアがプリロードされているため、最終製品におけるUSBロゴの認証取得を簡略化できます。また、64KBのFlashメモリが内蔵されており、電力変換用のファームウェアをカスタマイズ可能です。

ST-ONEHPは、STの第3世代GaN(窒化ガリウム)パワー・トランジスタと高性能ゲート・ドライバを集積したシステム・イン・パッケージ(SiP)「MasterGaN」と組み合わせて使用することで、より高集積・高効率を実現可能です。MasterGaNは、消費電力が重視されるアプリケーションへのGaN技術の導入を簡略化し、従来のシリコン・トランジスタよりも優れたサーマル性能やスイッチング効率といったメリットを実現します。

MasterGaNは、ST-ONEの機能を補完して性能を最大化するとともに、高いスイッチング周波数により受動部品の小型化に貢献します。STは、ST-ONEHPとハーフブリッジのMasterGaN1(9 x 9mm)を組み合わせたリファレンス設計「EVLONE140W」も提供しています。このリファレンス設計は、65Wの標準的なノートPC用充電器よりも小型のサイズを実現しています。

EVLONE140Wは、90cm3というサイズで、業界最高レベルの電力密度(25W/in3)および94%を超えるピーク効率を実現します。また、一般的な充電器と比較してプラスチック使用量が1/4で、2%の高効率化を達成しているため、環境にも優しい製品です。世界各地域で製造されるすべての充電器にEVLONE140Wが採用された場合、約350万トンのCO2排出量を削減することが可能です。

ST-ONEHPは、現在主要顧客向けにサンプル提供中で、リード・タイプのSSOP36パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約3.90ドルです。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

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