STマイクロエレクトロニクス、小型・高効率で低温動作の電源機器に最適なGaNパワー半導体の量産を開始
GaN(窒化ガリウム)ベースの製品がコンスーマ / 産業 / 車載アプリケーションにおいてシステム設計の小型・高効率化を実現
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STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、エンハンスメント型GaN HEMT(高電子移動度トランジスタ)「G-HEMT™」の量産を開始したことを発表しました。同製品は、STのパワー半導体製品ファミリ「STPOWER™」として提供され、高効率の電力変換システムの設計簡略化に貢献します。STPOWER™ GaNトランジスタは、電源アダプタ、充電器、照明システム、産業用電源、再生可能エネルギー・アプリケーション、自動車の電動化アプリケーションなどの高性能化を実現します。
産業グレードの650V耐圧ノーマリ・オフG-HEMT™「SGT120R65AL」および「SGT65R65AL」は、STPOWERファミリ初のGaNトランジスタ製品です。両製品ともに、表面実装型のPowerFLAT 5×6 HVパッケージで提供されます。定格電流は、SGT120R65ALが15A、SGT65R65ALが25Aです。また、25°Cでのオン抵抗(RDS(on))はSGT120R65ALが75mΩ(Typ.)、SGT65R65ALが49mΩ(Typ.)です。総ゲート電荷はSGT120R65ALが3nC、SGT65R65ALが5.4nCで、寄生容量が低いためターンオン / オフ時の電力損失を最小限に抑えます。さらに、ケルビン・ソース接続により、最適なゲート駆動が可能です。両製品は、電源やアダプタの小型・軽量化、高効率化、動作温度の低減、長寿命化に貢献します。
STは、今後数ヶ月の間に車載グレード対応製品を含む新しいGaNパワー半導体製品を発表する予定です。また、PowerFLAT 8×8 DSCや、高電力アプリケーション向けのLFPAK 12 x 12など、新たなパッケージ・オプションも追加する予定です。
STのG-HEMT製品は、電力変換におけるGaNワイド・バンドギャップ技術への移行を促進します。GaNトランジスタは、シリコン・トランジスタと同等のブレークダウン電圧とオン抵抗を備えつつ、総ゲート電荷量と寄生容量の低減、および逆回復電荷ゼロを実現します。これらの特性により、電力効率とスイッチング性能が向上するため、高いスイッチング周波数により受動部品を小型化することができ、電力密度の向上に貢献します。そのため、アプリケーションの小型化・高性能化を実現可能です。また、将来的には、GaNを用いた新たな電力変換トポロジの実現により、さらなる高効率化や電力損失の低減が期待されています。
STは、GaNパワー・ディスクリート製品の高い生産能力を有しているため、製品の迅速な量産化に対する顧客ニーズに対応します。SGT120R65ALおよびSGT65R65ALは現在量産中で、PowerFLAT 5×6 HVパッケージで提供されます。100個購入時の単価は、約2.60ドル(SGT120R65AL)および約5.00ドル(SGT65R65AL)です。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。