STマイクロエレクトロニクス、 自動車の安全性 / 快適性向上に貢献する 車室内モニタリング用イメージ・センサを発表
- ローリング・シャッターおよびグローバル・シャッターのハイブリッド機能搭載イメージ・センサがドライバー・モニタリング機能を拡張し、自動車のあらゆる乗員に対する順応性と利便性の向上に貢献
- ドライバー・モニタリング・システム市場の成長率は年10%以上
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多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、複数モードに対応した車室内モニタリング・システム用の次世代イメージ・センサ「VD1940」および「VB1940」を発表しました。これらの製品は、主要な自動車市場において義務化が進むドライバー・モニタリング・システム(DMS)の開発において、自動車メーカーに必要な技術を提供します。また、ドライバーの注意力を診断することで運転の安全性を向上させるDMSの機能を拡張し、車室内全体をモニタリングすることでドライバーを含むすべての乗員に対応するシステムを実現可能です。乗員のシートベルト装着チェックや、生体情報のモニタリング、幼児置き去り検知、ジェスチャ認識、高品質の動画 / 静止画記録など、新しいアプリケーションの実現に貢献します。
STのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 イメージング・サブグループ ジェネラル・マネージャであるEric Aussedatは、次のようにコメントしています。「DMS市場は、年間10%以上のペースで成長を続けています。STの新しいイメージ・センサにより、自動車メーカーは複数の乗員をカバーする完全な車室内モニタリングを活用して新たなサービスを創出し、ユーザにより大きな価値を提供することができます。また、これによってDMS市場のさらなる成長に貢献するでしょう。市場をけん引するSTのイメージ・センサは、DMS技術の進展とイノベーションを支える基盤となります。」
VD1940およびVB1940は、高感度・高分解能の赤外線センサと高ダイナミック・レンジ(HDR)のカラー・イメージ・センサを1パッケージに集積し、コスト・パフォーマンスに優れたソリューションを提供します。同製品は、ローリング・シャッターおよびグローバル・シャッター・モードでフレームを取得できます。5.1Mピクセルで搭乗者モニタリング・システム(OMS)に必要なHDRのカラー画像を取得するとともに、通常は標準的なDMSセンサで取得する高品質の近赤外線(NIR)画像も取得可能です。DMSは、NIR画像を使用することで、あらゆる照明環境下でドライバーの頭部と目の動きを解析します。
両製品ともに現在サンプル出荷中で、ベア・ウェハ(VD1940)およびBGAパッケージ(VB1940)で提供されます。量産については、現在設計が進む2024年モデルの自動車ニーズに合わせて計画中です。価格については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。
技術情報
「VD1940」および「VB1940」には、STの第2世代 3D積層裏面照射型(BSI)ウェハ技術が採用されており、ダイ・サイズ当たりの光学面積とオンチップ処理性能を最大限に高めています。これにより、洗練されたアルゴリズムをセンサ側で処理できるため、カラー画像とNIR画像の両方で最適な性能を実現し、消費電力も削減可能です。また、外部のISPも不要です。
センサ側で処理されるアルゴリズムには、ベイヤー変換やHDR合成などが含まれており、画質とフレーム・レートの最適化に貢献します。ベイヤー変換処理では、「RGB NIR 4X4」パターンのカラー・ピクセルから、さまざまなSoCと互換性を持つRGGBフォーマットへの再構成が可能です。また、ローカル処理により、カラー・ピクセルおよびNIRピクセルの露出を独立して最適化し、両方のモードで最適な画質を実現します。さらに、RGBピクセルから追加のNIR情報を取得し、NIR画像の解像度を向上させるスマートなアップ・スケーリングも可能です。
両製品に搭載されたプロセッサには、優れたサイバー・セキュリティ機能も搭載されており、カメラと電子制御ユニット(ECU)の相互認証やペアリング、ビデオ・ストリームの認証などを行うことができます。これにより、コネクテッド・カーのアプリケーションにおけるプライバシー保護に貢献します。
グローバル・シャッター・モードで取得するNIR画像と赤外光LEDエミッタを同期させることで、動きボケのない高速の動画を取得できます。また、両製品ともにピクセル・データを1列ごとに読み取る、高品質カラー画像も取得可能なローリング・シャッター・モードに対応しています。ローリング・シャッター・モードでは、内蔵のHDR合成機能を活用し、ダイナミックレンジ100dBでフル解像度のカラー画像を生成します。
VD1940 / VB1940は、AEC-Q100およびISO 26262に準拠し、ASIL-Bまでの機能安全性が求められるシステムに対応しています。