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STマイクロエレクトロニクス、ヘルスケアおよびフィットネス向け次世代ウェアラブル機器を実現する革新的なバイオセンサ技術を発表

  • 心臓および神経系センシングの入力回路、モーション・トラッキング機能および組み込みAI機能を備えた高集積バイオセンサ
  • electronica 2024(ミュンヘン、11月12日~15日)でデモを展示
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多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、スマート・ウォッチ、スポーツ・バンド、スマート・リング、スマート・グラスなどの次世代ヘルスケア・ウェアラブル機器に最適なバイオセンサ「ST1VAFE3BX」を発表しました。同製品は、高精度の生体電位入力回路とSTの実績あるMEMS加速度センサおよび機械学習コア(MLC)を集積しており、チップ内でアクティビティを検出することで、消費電力を抑えつつ高い性能を実現します。

 

STのアナログ・パワー & ディスクリート・MEMS・センサ製品グループ(APMS)バイスプレジデント 兼 MEMSサブグループ・ジェネラル・マネージャであるSimone Ferriは、次のようにコメントしています。「ウェアラブル機器は、健康意識やフィットネスの向上を実現するための重要な技術です。今日では、誰もが心拍数モニタ、アクティビティ・トラッキング、地理的位置情報を自分の手首から得ることができます。STの最新のバイオセンサは、モーション検出および生体信号検出機能を備えた低消費電力かつ超小型製品の開発に貢献し、ウェアラブル機器を強化します。」

 

Yole Development社のアナリストによると、ウェアラブル・モニタ機器は、保健機関により承認された市販のコンスーマ向けヘルスケア機器などを含む、一般的なヘルスケア市場を越える機会があると見ています(1)。STのチップ設計専門家により、シリコン内に集積された高精度センサ入力回路が、心拍変動や認知機能、精神状態の検知といった先進的な機能を実現し、あらゆる分野でのイノベーションを促進しています。

 

ST1VAFE3BXは、ライフスタイル / 医療モニタリング用のインテリジェント・パッチなど、手首以外の身体部位用のウェアラブル機器の可能性を広げます。STの顧客であるBM Innovations GmbH(BMI)社とPison社は、この分野の最先端を走っており、ST1VAFE3BXをいち早く採用して、新製品の開発を推進しています。

 

BMI社は、ワイヤレス・センシング分野で豊富な実績がある電子設計企業で、最先端の心拍数 / 心機能モニタリング・システムなど、幅広いプロジェクト・ポートフォリオを有しています。BM Innovations GmbH社のマネージング・ディレクターであるRichard Mayerhofer氏は、次のようにコメントしています。「STの新しいバイオセンサを活用することで、胸部バンドや小型パッチでの心電図分析など、アスリート向けに次世代の高精度・高性能モニタリング・システムを開発することができました。小型のセンサ単体でvAFEからのアナログ信号と加速度センサからのモーション・データを組み合わせることができるため、高精度のコンテキスト認識型データ解析が可能になります。さらに、センサ上でAIアルゴリズムを直接サポートしており、これはまさに当社が求めていたものです。」

 

健康増進と人間の可能性向上のための先進技術を開発するPison社の最高技術責任者(CTO)であるDavid Cipoletta氏は、次のようにコメントしています。「STの新しいバイオセンサは、スマート・ウォッチのジェスチャ認識機能や、認知能力や神経系の健康状態の測定において卓越したソリューションです。この先進技術を利用することで、当社のウェアラブル機器の機能とユーザ体験を大幅に向上させることができました。」

 

ST1VAFE3BXは現在量産中で、12リードのLGAパッケージ(2 x 2mm)で提供されます。STのeSToreまたは販売代理店から入手可能で、単価は1000個購入時に約1.50ドルです。また、eSToreでは無償サンプルも提供されています。

 

STは、11月12日~15日にミュンヘン(ドイツ)で開催されるElectronica 2024に出展し、STブース(Hall C3 101)でST1VAFE3BXのセンシング技術のデモを展示します。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

 

技術情報
生体電位センサ向けのアナログ・フロントエンド回路は、皮膚の状態や体に装着された電極の位置など、予測できない影響を受けやすく、設計の難易度が高くなっています。ST1VAFE3BXには、完全な垂直統合型アナログ・フロントエンド(vAFE)が搭載されているため、身体 / 精神的状態を示すさまざまな生体電位信号の検出を簡略化できます。そのため、ウェルネスおよびヘルスケア機器メーカーは、心電図(ECG)、脳波記録(EEG)、心理心電図(SCG)、神経電気検査(ENG)などの機能を追加し、製品を強化することができます。これにより、低コストで使いやすく、健康状態やストレス / 興奮などの事象に対する生理学的反応を信頼性高く評価できる新たな機器の実現に貢献します。将来的には、さらに多様なウェアラブル機器が生まれて、ヘルスケア、フィットネス、自己認識の向上に貢献できる可能性があります。

 

この高精度フロントエンド回路を集積したST1VAFE3BXには、STのMEMS製品における強みを生かし、慣性センシング用の加速度センサも集積されています。加速度センサが装着者の動きに関する情報を収集・提供し、これが生体電位センシングと同期されて、測定信号と身体活動の関連を推論します。

 

ST1VAFE3BXには、STの機械学習コアとステート・マシン(FSM)も集積されており、製品設計において、AI処理用の簡単な判定回路の動作をセンサ内で動作させることができます。これらの組み込みAI機能により、アクティビティ検出などの機能を自律的に処理し、メインのホストCPUの負荷を軽減することで、システム応答の高速化と消費電力の削減が可能です。このように、STのセンサを使用するスマート医療機器は、より洗練された機能や長いバッテリ寿命、優れた利便性を提供します。また、ST Edge AI Suite内で提供されるソフトウェア・ツール「MEMS Studio」によって、ST1VAFE3BXの性能を最大限に引き出すことができます。MEMS Studioには、機械学習コアのツリー状の判断回路を構成するためのツールも含まれています。

 

ST1VAFE3BXの生体検出信号回路は、ゲインとして、プログラム可能なvAFEと12bit ADCコンバータを備えています。最大出力データ・レートは3200Hzで、心臓、脳、筋肉の活動を定量化する幅広い生体電位測定に適しています。電源電圧範囲は1.62V~3.6V、動作電流はわずか50µA(Typ.)で、省電力モード時は2.2µAまで低減可能です。

 

内蔵の低ノイズ加速度センサの測定範囲は、±2g~±16gで設定可能です。ST1VAFE3BXには、アクティビティ検出などの機能を実現する機械学習コアおよび設定可能なステート・マシンに加えて、先進的な歩数計、歩行検知、歩数カウント機能が搭載されています。

 

1 Sensors and Actuators for Wearables 2023』レポート、www.yolegroup.com

 

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

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